『待ってたぜぃ、レコード、預かってるからな。』
1.2.3.4!!のカウントで演奏が始まる。
ハートを盗まれた瞬間!!
笑顔とか、しぐさとか、言葉とか。
思い出してみよう、あの日の笑顔を、あの日の気持ちを

| Diary[日々の覚書]|
他所で書いた文章。
『待ってたぜぃ、レコード、預かってるからな。』
引越しの為に荷物を整理しているさなか、さてターンテーブルとレコードを転居先のどこに設置しようかと考えをめぐらしていると、古いレコードが出てきた。
レコードの主は、昔集めたレコードだが今プレーヤが手元に無いからと持ってきたまま、置き去りにしていった友人だ。
彼と初めて出会ったのは高校一年の時、音楽を通しての付き合いだった。
彼はストーンズ派、私はビートルズ派、話のキッカケはそんな感じだったような気がする。そのあたりの話題で話せる相手が少なかったこともあり、時を忘れて話し込んだ。
彼が高校を中退してから約10年後、ばったりとライブハウスで出会った。ライブハウスの喧騒の中、親指を立ててドアを指しふっと笑った。ビールで再会を祝したライブハウス前の路上、バカはじめるのに時間は要らなかった。ゲーセンに入って高校の頃と同じように遊びまわったり、スタジオに出かけたり……。
一緒にバンドをやろうとデモを作ったりしていた、そんなさなか、彼は交通事故を起こした。作りかけのデモテープをもって病院へと向かった。深夜の仕事帰り、電信柱に突っ込んだようだが記憶はすっぽりと抜け落ちているということだった。足の骨折。元来運動神経も良かった彼は社会人でスポーツにも精を出し、大会に出場するようになっていた。彼にとっては何度目の乗り越える壁なのだろう。そんな事を思いながら、二人でデモテープを病院のベンチで聴き、「のんびりやろうや」と、そう言ってまたふっと笑った。
そのうち彼と連絡がつかなくなった。
次に出会ったら、まず言おう。
『待ってたぜぃ、レコード、預かってるからな。』
『たばこ、また吸い始めたか?声出るか?曲、あのまんまだぜ。キー下げろなんて言わネェよな?』
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